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日本耳鼻咽喉科学会茨城県地方部会は、茨城県の耳鼻咽喉科・頭頚部領域を専門とする医師が参加する会です。


鼻の日
the Day of Nose


2012年(平成24年)

「『鼻の日』に寄せて」―鼻のCT検査―

文責:筑波大学医学医療系耳鼻咽喉科講師 田中秀峰

鼻汁・鼻閉の症状があり、耳鼻いんこう科へ行かれることがあるかと思います。様々な病気が考えられるので、やはり耳鼻いんこう科での診察は大切です。そこで鼻の中の診察を受け、「副鼻腔炎(昔は蓄膿症などと言われることもありました。)ですね。」といわれることがあると思います。それには、「急性」と「慢性」があります。

急性とは、頭痛やほっぺたの痛み、発熱などを伴います。適切な治療を行えば通常1、2週で軽快します。ときどきその後も持続する鼻汁(通常は白色から黄色の粘っこい鼻汁)やなんとなく頭やほっぺたが重い症状が改善しない場合があります。そのような場合は、慢性副鼻腔炎となっていることが十分考えられるので、ぜひ一度「CT」という検査を受けることをお勧めします。

CT検査は、クリニックでもできるところが一部ありますが、通常は、総合病院などで撮影します。CT検査は、通常5分程度で終わります。

病院とクリニックでは、「地域連携システム」というものがあり、それを活用して撮影しますので、クリニックからでも依頼できることがあります。また、大学病院など大変検査が混雑していてすぐに検査できない場合などは、やはり地域連携システムを利用して他病院の空いている検査枠でCT検査だけ依頼して撮ってくることもできます。

レントゲンで十分という意見もあるかと思いますが、正確な診断は何よりCTが一番です。副鼻腔炎が起きている副鼻腔という構造は大変複雑で、レントゲンだけでは正確な炎症の広がりを把握することが難しいです。時としてレントゲンで正常に見えても、CTで異常が見つかることもありますし、レントゲンで影があるように見えても、CTでは正常であることもあります。特に、以前に鼻の手術を受けられた方の評価は、CTでの検査が必要です。

是非、慢性的な鼻汁、鼻閉でお困りの方は、お近くの耳鼻いんこう科にご相談ください。

平成24年 書き下ろし

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