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日本耳鼻咽喉科学会茨城県地方部会は、茨城県の耳鼻咽喉科・頭頚部領域を専門とする医師が参加する会です。


鼻の日
the Day of Nose


2004年(平成16年)

「『鼻の日』にちなんで」−鼻副鼻腔悪性腫瘍について−

文責:筑波大学臨床医学系耳鼻咽喉科講師 田渕経司


今年は非常に暑い日々が続いており、皆さん体調管理は大丈夫でしょうか。
 今まで,鼻の日の話として様々な病気を挙げてきました。今回は,以前にも取り上げましたが、鼻副鼻腔の癌について,お話したいと思います。

鼻及び副鼻腔に発生する癌はいずれにも発生する可能性はありますが、多くは上顎洞という部位に原発します。上顎洞以外では鼻腔、篩骨洞も比較的頻度が多い部位です。特に上顎癌では扁平上皮癌という癌が多いとされています。これらの癌の好発年齢はやはり40歳以上の癌年齢です。

 鼻副鼻腔の癌は早期発見が比較的難しいことで知られています。即ち、病院を初めて受診した時点で既に進行癌である方が多いのです。初期には症状を呈しにくい癌ではありますが、右か左か片側だけに鼻づまりを呈する方、鼻水に血を混じる方は注意が必要です。癌が進行してくると顔面の膨隆、眼球突出、視力障害、口蓋腫脹等も呈してくることもあります。片側のみで治療に反応しない慢性副鼻腔炎も耳鼻咽喉科医の診察が必要と思います。

以上、いろいろ述べてまいりましたが、少しでも「おかしい」と気付いた点があれば、まずは気兼ねせず、耳鼻咽喉科専門医の診察を受けるようにして下さい。

平成16年 書き下ろし

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