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日本耳鼻咽喉科学会茨城県地方部会は、茨城県の耳鼻咽喉科・頭頚部領域を専門とする医師が参加する会です。


鼻の日
the Day of Nose


2014年(平成26年)

「『鼻の日』に寄せて」―アレルギー性鼻炎の手術治療(後鼻神経切断術)―

文責:筑波大学医学医療系耳鼻咽喉科講師 田中秀峰

鼻汁・鼻閉・くしゃみの症状があり、耳鼻いんこう科へ行かれることがあるかと思います。様々な病気が考えられますが、耳鼻いんこう科での検査や診察でアレルギー性鼻炎と診断されることがあると思います。花粉症のようにある一定の期間だけのことや一年中症状が続く人もいることでしょう。通常は、飲み薬や点鼻薬を処方され症状を緩和させている方がほとんどだと思います。

中には、一年中薬が手放せない方もおられると思います。このようしつこい症状をお持ちで、薬でも症状がすっきりしない方には、手術治療をお勧めします。特に鼻汁がひどい方や、妊娠・授乳中で抗ヒスタミン薬の内服ができない方などにはお勧めです。

後鼻神経とは、鼻腔の後方に出口があり、ここから鼻の粘膜に鼻汁の分泌を刺激する神経です。アレルギー性鼻炎の方は、アレルギー反応の結果この神経が働いて過剰な鼻汁分泌が起こります。この神経を切断することにより、この過剰な鼻汁分泌の指令が鼻の粘膜に伝わらなくなり、鼻汁が抑えられるという仕組みです。「後鼻神経切断術」や「翼突管神経切断術」などと呼ばれます。

この神経の切断は、アレルギー性鼻炎の方に行われるので、通常鼻閉に対する手術も一緒に行われ、約1~2時間要します。鼻汁と鼻閉に対する手術治療で、術後はどちらの症状もすっきりしますので、多くの患者さんから大変感謝される治療法の一つであります。

手術の適応については、専門の耳鼻いんこう科での診察が大変重要になります。是非、アレルギー性鼻炎で、慢性的な鼻汁・鼻閉でお困りの方は、お近くの耳鼻いんこう科にご相談ください。

平成26年 書き下ろし



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